バリデーションについて

◇「バリデーション(validation)」とは

バリデーションとは、日本語では「検証」などと訳されます。ここでは狭義のバリデーション、すなわち医薬品(一部の医薬部外品を含む)の品質に係わるバリデーションをご説明します。
医薬品は生活に身近で非常に役に立つものですが、量を誤ると効き目が無い場合や、あるいは毒にもなる場合も有ります。また剤形によっては、体内に直接注入する場合があり、その際に無菌性が保証されていなかったり、科学的特性が申請したものと違う場合に、体に害を与える場合があります。
そういった問題を防ぐために、国ごとで(日本では厚生労働省が所轄)GMP(Good Manufacturing Practice;適正製造規範)という規範が定められ、これを遵守するよう求められています。

GMPにおけるバリデーション

GMPの規定の中に「バリデーション」について記載されています。
薬食監麻発第0330001号「薬事法及び採血及び供血あっせん業取締法の一部を改正する法律の施行に伴う医薬品、医療機器等の製造管理及び品質管理(GMP/QMS)に係る省令及び告示の制定及び改廃について」の「第4 バリデーション基準」-「2. バリデーション基準」に、以下の記載があります。
「<バリデーションの目的>バリデーションは、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法(以下この基準において「製造手順等」という。)が期待される結果を与えることを検証し、これを文書 とすることによって、目的とする品質に適合する製品を恒常的に製造できる ようにすることを目的とする。」
かみ砕いて説明すると、医薬品を製造するには、目標とする品質(薬効、副作用の防止、異物の混入防止、規定の数量の充てん、など)を満たすために、製造処方と品質維持に必要な製造手順や各種検査を行う必要があります。
ある程度の製造実績が得られれば、決められた手順に従って製造、検査、保守を行っておれば、品質の確保ができると考えられます。
しかしながら、新製品を開発し市販を前提に製造を開始する場合や、新たに薬効を加える場合など、これまでに新しい製造方法を伴ったり、初めての設備で製造を行う必要がある場合は、それが医薬品製造の品質を保証するに相応しい製造手順であることを、市販する前に「検証」し証明する必要があります。
すなわち、その計画、作業、記録、検証結果すべてが「バリデーション」に該当するわけです。